映画『ツォツィ』

d0208226_22442640.jpg


ソウェトをいろいろ調べていたら、まさにこの地を舞台にした映画があったことを知って、さっそく見てみました。
2006年にアカデミー外国映画賞をとった映画『ツォツィ』

あ、話題古過ぎ?
スミマセン。
なにせ、ここ10年、映画鑑賞なんて全然できない状況だったもんで。

d0208226_23533031.png


これを見ると、やっぱりソウェトは、恐ろしく貧しいスラム街だったのか?
時代はアパルトヘイトが終わったばかりの頃だというし、製作スタッフはアフリカ人だし、実際南アフリカの犯罪の数を考えると…。

夫が撮ってきた青空ピーカンの明るいソウェトは、いったい何だ?
それともここ20年ほどで、少し落ち着いたってことだろうか。
貧しさは変わらないとしても。

それにしても、この映画は、賛否両論だろうな、と思う。

ソウェトで辛い環境の中で育ったツォツィと呼ばれる青年は、型通り、人を平気で殺してしまうような人間になってしまうんだけど、ある日、窃盗した車の中に偶然赤んぼうがいて、置き去りにできず連れて帰り、自分で育てようとする。

そうやって赤んぼうと接するなかで、次第に人間らしい優しさを取り戻す…みたいな話しだけど、お涙ちょうだい的なハリウッド映画に慣れた人には、ちょっと物足りない感じだろうな。
私も実際は、もっとヒューマンティックなものかと思ってたけど、全然そうじゃなくて、かなり淡々としている。

でも、それが真実だと思う。

ツォツィは、まったく関係のない若い母親を脅かし、自分の赤ん坊にムリヤリお乳をあげさせるシーンがあるんだけど、その若い母親は最初こそ困惑するものの、お乳をあげているうちに、ツォツィの赤ん坊にも優しく愛情を注ぎだす。

それを見ていたツォツィは、エイズで死んだ自分の母親や、アル中になって暴力をふるう父親を思い出し、愛情に飢えた分、その赤ん坊に自分を反映して、「この子の名前は?」と、若い母親に聞かれたときに、思わず自分の本名をいって、赤ん坊にその名を与える。

とても心に残ったシーン。

辛い幼児体験をして極悪非道になった人間が、赤ん坊に接したくらいで改心するかな、とも思うんだけど、少なくとも彼は、母親に愛されて育った時期がちゃんとあったんだと思う。だから、優しくされている赤ん坊を見て、「自分にもこうやって母親に愛されたことがあった」と思い出し、人間らしさみたいなものを取り戻すことができたんじゃないかな。

子どもは、やっぱり親の愛情なしでは、生きていけないものなんだなあ、とつくづく感じた映画でした。

それとは別に、アパルトヘイト以後の黒人内でのこの貧富の差についても、深く考えさせられます。

ps
最初の写真の小さな銅像は、夫が同じくアフリカ、コートジボアールに行ったときのおみやげです。
ポスターにそっくり〜







❉my web site『Luna che ride-笑う月』

❉絵画販売 web shop site
『SALONE』
[PR]
by natsuki-suzuki | 2012-01-27 00:09 | 毎日
<< 絵画 小さな贈り物  絵画 静かなお茶の時間 >>